新高齢者制度「公費拡充を」/健保連など4団体が共同アピール
健保連、経団連、全国健康保険協会、連合の4団体は12月6日、議論が大詰めを迎えている高齢者医療制度の見直しに関する緊急集会を開き、新たな高齢者医療制度への公費投入の拡充などを求める共同アピールを採択した。
集会の冒頭、あいさつした連合の古賀伸明会長は「現在の後期高齢者医療制度のように、現役世代からの“仕送り”に過度に依存するのは困難。公費拡充は喫緊の課題」と訴え、労使と保険者の団体が共同して公費拡充を求める意義を強調した。
厚生労働省の「高齢者医療制度改革会議」の委員を務める宮武剛・目白大大学院教授が改革会議での議論を説明した後、4団体の代表者が意見表明した。
経団連の浅野友靖・社会保障委員会企画部会長は「政府は現役世代の負担が限界に来ていることを顧みることなく、さらに負担を増やそうとしている。現役世代の働く意欲、活力を削ぐことになる」と懸念を表明し、「国民全体で支援する仕組みへの転換が必要」として公費拡充を訴えた。
改革会議委員の健保連の白川修二専務理事も「改革会議に示された財政負担案の最大の問題は公費投入をほとんどせずに負担の仕組みを変えようとしていること」と述べ、「健保組合の財政への影響だけでなく、現役世代の負担を増やそうという政府の姿勢に疑問を呈している」と訴えた。
連合の小島茂総合政策局長も「現実的な改革の第一歩だが、公費拡充は絶対に必要」と主張。全国健康保険協会の小林剛理事長も「現役世代の負担は限界。公費拡充は不可避だ」と強調した。(12/7MEDIFAXより)