新規開業予定者のための講習会開く
開業支援は協会にお任せを!
協会は、新規開業を考えている勤務医を対象に、「新規開業予定者のための講習会」を1月26日開催した。共催は有限会社アミス。第1講目は、「ここだけは押さえたい! 開業までのステップ」をアルフレッサ株式会社の堀士均氏、増田博昭氏が講演。第2講目は、「銀行融資を受ける際の留意点—資金計画・事業計画の立て方、審査のポイント」を京都銀行の山本雄悟氏が講演。第3講目は、田中整形外科医院長の田中伸明氏が先輩開業医としてアドバイスを行った。
経営理念・診療方針の明確化を
第1講目で堀士氏は、開業に向けた準備では「基本構想」の決定、「経営理念」「診療方針」の明確化が重要であり、開業後のスムーズな医院経営のポイントともなると説明。開業にあたっての総費用については、テナント開業での各科別の目安が示され、開業における必要資金の参考が示された。
次に増田氏は自らが新規開業を支援した実例をもとに解説。開業が成功するかは医師と開業を支援する担当者と信頼関係が構築できるかが鍵であると指摘した。開業地決定から医院の設計・施工会社の紹介、さらに最初の事業計画の段階から医療に特化した税理士など専門家を紹介するなど医師の代わりに担当者が準備をお手伝いする。スタッフ対策については、早めの準備で研修をしっかり行い、開業後にスタッフ間の人間関係でぎくしゃくしないよう最初が肝心とした。
資金計画の根拠がポイント
第2講目では京都銀行の山本氏より、銀行が特にチェックするポイントは、事業計画書であり、それが信頼性のあるものか、前提条件が実態とかけ離れたものになっていないか、また医師が内容をよく理解、把握しているかを重視するとした。さらに、開業の動機や診療方針が先生自身、明確になっているか。他院との差別化など戦略がしっかりし、そのうえで資金計画に妥当性や客観性があるか、その根拠がポイントであると解説した。
横のつながりひろげることが大切
続いて、先輩開業医のアドバイスとして、田中伸明医師が開業に至った経過ならびに開業後の注意点について日常の診療状況を述べた。
開業の動機は体力や年齢に伴う身体的な不安を覚えたため。大切にしていることは、診療に関係のない患者さんの趣味や家族の話をよく聞いて、フィードバックすること。少しの時間で良いので声掛けをすると患者さんにとても喜んでもらえる。また家族間の架け橋になることも大切な仕事であるように感じている。スタッフから不満などを聞いた時には、フィードバックする意味で関係のないスタッフも含めて全員に個別に時間を取り話をするなど、細やかな気遣いが大切である。患者さんからスタッフの対応でクレームがあったときは、スタッフに非がなくても、患者さんを不快にさせた責任は院長にあるとして自ら謝罪するように心掛けている。地域での老人会、婦人会などに積極的に参加して地域に根づき、信頼を得るようにしている。地区医師会や協会の理事などもしているが、いろいろなことをすることで横のつながりや自分自身の幅が出てきて、プラス面ばかりでマイナス面はないとアドバイスした。
最後に、北村理事から、地区医師会への入会についての留意点および協会共済制度やその他の活用方法について説明した。