新規開業予定者のための講習会開く  PDF

新規開業予定者のための講習会開く

開業支援は協会にお任せください!!

 新規開業を考えている勤務医を対象に、協会は5月19日に「新規開業予定者のための講習会」を開催した。共催は有限会社アミス。

資金計画・事業計画のポイントは

 第1講目は京都銀行・東洋平氏より、銀行融資を受ける際に銀行が求める資金計画・事業計画の立て方のポイントを解説。銀行が特にチェックする審査のポイントは、堅実な計画や根拠ある計画が立てられているかである。特に他医院との差別化を図るうえで先生のコンセプトが明確化され、診療内容の特殊性が生かされているのか。また協会との協定融資は一般融資と比較すると金利が非常に低い。上手に活用することで、少しでも無理のない返済計画が立てられる。京都銀行では診療内容や借入状況、保証人・担保評価、開業目的、医師の人柄などをもとに独自のシミュレーションを実施しているとした。

開業時のスタッフ採用留意点とは

 第2講目は、特定社会保険労務士・河原義徳氏から、開業する上での重要事項である「開業時の採用活動」を中心に解説した。

 スタッフの採用にあたって大切なことは、「どんなクリニックにしたいか(経営方針・理念)」を明確にし、決して妥協はせず納得のいかない人を採用しないこと。また、面接時は雇用前であり、身だしなみや試用期間など、法律上規制しづらい事項や労働者にとって喜ばしくない事項を伝えておくことも必要である。面接の時点では対等な立場であり、こちらの身勝手な条件を伝える最後の機会として、しっかりと伝えておくこと。後出しは厳禁である。ただし、面接による判断の限界もあり、試用期間を重要視し、経営者である先生自らが本採用に値するかを確認し判断することが重要とした。

 採用時には雇用者は労働条件通知書を作成し、労使双方の共通認識とする必要がある。「雇用」とは、憲法第25条に立脚した行為であり、生活の糧(給与)を奪う「解雇」は簡単に許されないことを念頭に入れておく必要があるとした。なお、労働条件通知書の雛型は『医院経営と雇用管理』(全国保険医団体連合会発行)が参考となる。

先輩開業医からのアドバイス

 第3講目は、村山医院の村山祐一郎氏より先輩開業医からのアドバイスとして、開業にあたり自身が行う医療の原理・原則を明確にし、患者さんや家族だけではなく自分自身も納得のいく医療を提供することに努めていると日常の状況を語った。

 診療の原則を「納得のいく医療」「責任の持てる医療」として、◇とりあえず何とかしてくれる医院として専門外でも合格点の取れる診療を心掛けている◇専門性を活かした診療として他院では行っていない日帰りの静脈瘤手術を実施している◇地域に役立つ活動として、AED講習会の開催や健康教室での講演、介護認定審査委員、心臓健診など積極的に地域活動を行うようにしている-とした。

 経営の原則は、保険診療は誰がやっても同じ点数であるが、質の高い診療を行い他の医院との差別化を目指していること。まずは来院してもらうために、患者さんと同じ高さの目線で接していること。接遇はとても大切であり患者さんに対しての言葉遣い、スタッフ同士でもタメ口ではなく丁寧な言葉遣いを心がけるように教育していることなどを挙げた。

 医療安全に関しては、万一ミスが起こった場合、迅速かつ誠実に対処することが重要で、スタッフのミスであっても必ず院長が謝罪する。信用を得るのは難しいが、落とすのは簡単であると述べた。

 医療機器も直ぐに必要なものと後でいいものを区別し、イニシャルコストとランニングコストも考え薬剤と同様に無駄を極力省いていく努力が必要になるとアドバイスした。

 最後に北村理事から、地区医師会への入会についての留意点および協会共済制度やその他の活用方法について説明、担当事務局の紹介を行った。

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