新規医療技術の評価方針を決定/中医協・医療技術評価分科会
中医協の医療技術評価分科会(分科会長=吉田英機・昭和大名誉教授)は6月2日、2012年度診療報酬改定に向けて、新規医療技術の評価や既存技術の再評価の方針を決めた。前回改定では非公開のワーキンググループを設置し、1次評価と2次評価の2段階評価を行っていたが、中医協で「議論を透明化すべき」との指摘が出ていたため、ワーキンググループの設置を取りやめる。
今後は6月下旬までの間、関係学会から保険収載を希望する新規医療技術や再評価が必要な技術の提案書を受け付ける。提案書では、有効性、安全性、技術的成熟度、倫理性・社会的妥当性、普及性、既存技術と比較したときの効率性などについて根拠を求める。また保険未収載技術については、提案書を提出する際に、技術の概要をまとめたA4用紙1枚の分かりやすい説明書の添付も求める。
提案対象となる項目は、医科診療報酬点数表の第2章特掲診療料第2部(在宅医療)から第13部(病理診断)、歯科診療報酬点数表第2章特掲診療料第2部(在宅医療)から第14部(病理診断)に該当する技術。要望できるのは、日本医学会分科会、内科系学会社会保険連合(内保連)、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)、日本歯科医学会分科会のどれかに属する学会と、日本薬学会、看護系学会等社会保険連合。
提案書提出後、関係学会からヒアリングを実施する。それを踏まえて7−9月ごろに、厚生労働省が提案された技術の評価案を作成する。評価案では▽幅広い観点から評価が必要な技術▽エビデンスが不十分と考えられる技術▽評価対象外(薬事未承認の医薬品・医療機器を使う技術など)─の3パターンに振り分ける。
10月以降、医療技術評価分科会では厚労省の評価案を基に、保険適用の優先度と評価案の妥当性を評価し、最終的に保険適用の優先度が高いと考えられる技術を選び出していく。前回改定では「新規保険収載する優先度が高い未収載技術」が72件、「適応疾患の拡大等の優先度が高い技術」が11件、「再評価する優先度が高い既収載技術」が116件選ばれた。
医療技術評価分科会の評価結果は、最終的に中医協総会に報告する。(6/3MEDIFAXより)