新成長・再生戦略は「小泉改革に相似」/日医総研WP  PDF

新成長・再生戦略は「小泉改革に相似」/日医総研WP

 日医総研は小泉政権以降に強まった構造改革について、医療の営利産業化の視点から捉えたワーキングペーパー(WP)をまとめた。政権交代後に閣議決定された「新成長戦略」や「日本再生戦略」は小泉構造改革の政策と似た記述があるとし、医療の営利産業化を進める動きは「不変」と指摘した。「今からでも構造改革をあらためて検証し、総括することは今後の社会保障の在り方を方向付けるために価値のあること」と提言した。

 2001年に小泉政権下の経済財政諮問会議がまとめた「基本方針2001(骨太の方針)」では「聖域なき歳出削減」が掲げられた。WPでは「基本方針2009」まで社会保障費自然増の機械的削減が続いたことを挙げ、02年度から09年度までの間に削減された金額は累計1兆7445億円に達していると指摘した。06年度に行われた診療報酬のマイナス改定で「医療崩壊が現実化した」と考察した。

 医療機関も構造改革推進派が描いた医療費抑制のシナリオ通りになったと指摘。医療機関の経営が厳しくなるにつれてDPC対象病院が増え、平均在院日数の短縮化が進んだと分析した。

 経済財政諮問会議については、民間有識者議員に大企業のトップが就いていたことを挙げ「構造改革に利益至上主義を持ち込み、公的医療保険の給付範囲を縮小して私的医療費市場を拡大しようとするのは当然のことと思われる」と、メンバー構成を批判した。

 混合診療の解禁については06年の健康保険法改正によって評価療養と選定療養に再編されて一定の決着を見たとした。ただ、その後は国民の不安や保険会社の営業強化などを背景に第三分野(がん保険)の市場が拡大していると分析。11年度の第三分野年換算保険料は5.3兆円に上っていると指摘した。

 雇用や経済など小泉構造改革の全般的な政策にも言及し、「国民の生活が豊かになったとも、幸せになったとも言えないように思われる」とまとめた。(12/27MEDIFAXより)

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