新年度にあたって/副理事長所感/経営部会・内田亮彦
厳しい情勢を乗り切る経営面からのサポートを充実
実感のない好景気が終わって、日本経済は100年に一度といわれる経済危機に翻弄されている。最近は日本の株価も回復し、4―6月期のGDPは前期比でプラスになると噂されているが、このまま経済が回復していくのかは、まだまだ予断を許さない。一方、国庫負担を毎年2200億円削減する社会保障費抑制方針について自民党の園田博之政調会長代理は「10年度予算編成では『社会保障費(抑制)の総額は2200億円』というのは外して対応していきたい」と語ったというが、「骨太の方針09」原案からは2200億円削減方針は削除されておらず、まだまだ信用できない状態である。
このような医療を取り巻く状況の中、経営部会は医療機関の経営面からのお手伝いができればと考えている。
まず、「保険医年金」に関して、その安定運用の確保のため、受託会社4社の経営状況に関する情報を収集、より安定した運用とより一層の情報開示を強く要望し、また保団連を通じて交渉もしている。昨今の株価低迷の折り、生保会社の経営に対する会員の不安を解消できるよう努力していきたい。「休業補償制度」に関しては、会員加入率の増加を目指していきたい。そのほか、「ドクターファミリー保障プラン(遺族保障保険)」「個人情報漏えい保険」「子ども保険」等についても周知を図っていきたい。医療安全対策部会とも連携して、「医師賠償責任保険」「居宅介護サービス事業者・居宅介護支援事業者等賠償責任保険」などの充実、発展を図っていきたい。また当協会事務局員がこれらの制度のご案内に会員の皆様の医療機関を順次訪問させていただいているので、ご面会いただければ幸いである。
「融資斡旋制度」は、医療機関にとって有利な金利で資金調達できる制度である。今後もより良い制度であり続けるため制度の改善に努めたい。
また、当協会は各種相談室を開催している。ファイナンシャル相談室でファイナンシャル・プランニング技能士による、資産運用、相続、生命保険の相談を受けている。経営相談室では税務・経営のあらゆる相談を、医院・住宅新(改)築相談室では病医院の新・改築から一般の住宅の建築まであらゆる建築に関する相談を受けている。また、昨年度から新たに雇用管理相談室を開催しており、社会保険労務士の協力を得て、従業員採用時の留意点や就業規則作成など雇用管理にかかわる相談を受け付けている。従業員雇用に関連する法令、補助金等は随時変更されている。積極的に相談室を活用していただきたい。
税務関係では、保団連近畿ブロックとして国税局との交渉を行っているので、税務調査などで困られたことなどはご連絡いただきたい。交渉で得られた情報は保険医新聞でお知らせする。
今後とも会員の方々のご意見をいただきたい。皆様からのご意見は我々のエネルギーの源なので忌憚ないご意見を頂戴したい。ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いする。