新年度にあたって 経営部会
共済制度から税務調査、雇用管理まで 医院経営サポートのさらなる充実へ
副理事長 内田 亮彦
2012年の診療報酬改定でも再診料の引き上げは認められず、開業医の経営環境は悪化の一途をたどる。この上、消費税が8%に引き上げられると、医療機関への影響は甚大なものとなる。消費税引き上げに反対しつつ、ゼロ税率のように医療費への実質的な非課税を求める運動など現実的な対応を模索していく。
経営部会は金銭面からのサポートを行っている。共済制度については先達から残していただいた大事な財産で、これからも改良に努めたい。改善点のご指摘とともに、今後ともご愛顧いただければ幸いである。
医療機関で監督官庁からの介入を受けるものとしては、保険診療における指導・監査、税務調査が今までも話題になることが多かった。このうち、税務調査については以前から経営部会において力を入れているところで、毎年大阪国税局に出向き税務調査について改善要請を行っている。特に13年1月より改正国税通則法が施行されたことから、情報収集に努めている。
最近は労働基準監督署からの「監督」、また労働基準法違反による「是正勧告」などを受けることが増えているようである。「違反」の内容については、時間外労働の算定誤り、就業規則の未整備、労働条件の明示がないなどが多いようである。労働者の権利擁護のため法律は改正されており、雇用者はそれを熟知することが求められている。しかし、我々医師は被雇用者のときから労働基準法を意識したことはあまりなく非常に困難なことである。 2010年に保団連から発行された「医院経営と雇用管理」が今年は改訂されて発行される予定である。さまざまな形で雇用管理についての情報発信に努めたい。当協会では社労士による雇用管理相談に応じているのでご利用いただきたい。
また、雇用管理においてもさまざまな「落とし穴」があり、そこを労基法違反として指摘されることがある。対応に困ったときは随時、協会にご連絡いただきたい。