新型インフル対策、総括始まる/厚労省・会議が初会合  PDF

新型インフル対策、総括始まる/厚労省・会議が初会合

 厚生労働省の「新型インフルエンザ対策総括会議」(座長=金澤一郎・日本学術会議会長)は3月31日、初会合を開いた。新型インフルエンザ対策を検証するため、対策の経緯や事実関係を整理したほか、今後の会議の進め方について議論した。H5N1や新型インフルエンザ第2波などの対策に生かすため、6月中をめどに報告書を取りまとめ、厚労省の新型インフルエンザ対策推進本部に提出する。

 金澤座長は冒頭「まだ新型インフルエンザは終わっていない。総括という点で大事な時期であり、次の機会に備えるための議論は重要」と述べ、会議のメンバーに対して現時点での冷静な評価を求めた。

 議論では、出席したメンバーからさまざまな意見が上がった。河岡義裕氏(東京大医科学研究所感染症国際研究センター長)は「初期にパンデミックが始まった地域と、準備する期間のあった地域について、発熱外来が崩壊した経緯の資料がほしい」と求めたほか、田代眞人氏(国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長)は「どういう時点で、どういう根拠で、リスク評価をしたのかが大変重要」と指摘した。

 また、岩田健太郎氏(神戸大大学院医学研究科教授)が「水際対策をした方や、保健所で対応した方たちの声を拾いたい」と求めたのに対し、厚労省は「今後はテーマを決めて、現場の方を呼んで意見を聞く」と応じた。今後は、広報や公衆衛生、水際対策、サーベイランス、ワクチンなどのテーマで、有識者や現場で対応した関係者から意見を聞く場を設ける。(4/1MEDIFAXより)

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