新型インフル報告書、厚労相に提出/在庫問題は「最大限努力」
厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議(座長=金澤一郎・日本学術会議会長)は6月10日、報告書を取りまとめ、長妻昭厚生労働相に手渡した。報告書では、発熱外来の設置の是非を都道府県が柔軟に判断できる仕組みとすることや、医療従事者が地域の医療体制維持に協力しやすい環境を整えるため医師への補償も検討すべきと提言した。日本医師会をはじめ全国の医師会が返品を認めるよう求めているワクチンの在庫問題については「返品も含めた在庫問題の解決に向けて、早急に最大限努力すべきである」とした。
広報に関しては「全国で斉一的に提供すべき情報については、地域ごとに異なる対応とすれば混乱を招くことから、国が責任を持って、都道府県、市町村などと連携し、広報していくことが必要」とした。
水際対策では「感染力だけでなく致死率など健康へのインパクトなどを考慮しつつ、健康監視の対象者の範囲を必要最小限とするとともに、その中止の基準を明確にするなど、柔軟な対応を行えるような仕組みとすべき」と提言した。
総括会議からの提言内容に対して厚労省は「関係省庁と連携を取りながら、新型インフルエンザの再流行や鳥インフルエンザの発生時に備え、行動計画やガイドラインなどの見直しのほか、今後の組織体制などの強化に生かしたい」としている。ワクチンの在庫問題については「以前から返品も含めて在庫問題の解決に向け努力しているので、今後も継続して努力していく」としている。(6/14MEDIFAXより)