新型インフルで新たな行動計画を決定/政府閣僚会議  PDF

新型インフルで新たな行動計画を決定/政府閣僚会議

 政府は9月20日、新型インフルエンザ対策閣僚会議を開き、新たな「新型インフルエンザ対策行動計画」を決定した。野田佳彦首相は会議で「危機管理上、非常に大きな課題だと受け止めている」との認識を示した上で、新型インフルエンザが発生した2009年4月以降の教訓や反省を踏まえ、発生に備えて万全の態勢をつくりながら対応できるよう行動計画をまとめる考えを示した。

 主な改定ポイントは、病原性が高い新型インフルエンザの発生・流行に備えた医療・社会機能維持の対策強化と、病原性・感染力に応じた対策の決定。 海外発生時では▽検疫強化(WHOのフェーズ4宣言前の水際対策開始・検疫集約空港に羽田空港を追加)▽国内発生に備えた医療体制準備の都道府県への要請▽原液保存中のプレパンデミックワクチンの製剤化、医療従事者・社会機能維持者への接種開始―を追加した。医療体制では、現行の「発熱外来」の名称を「帰国者・接触者外来」に変更し、国内発生早期としていた設置時期を海外発生時に前倒しするとともに、外来以外の受診に備えて院内感染対策を講じた上で診療体制を整備するとした。

 国内発生早期では▽患者・入院患者の全数把握の強化▽学校などでの集団発生の把握の強化―を図る。また、都道府県ごとの発生状況は▽地域未発生期▽地域発生早期▽地域感染期―の3段階に分けて対応する。

 国内感染期・小康期では、一般の入院医療機関での診療・治療への切り替えが必要となるため、病床不足への対応として公共施設の利用についても検討する。都道府県の要請で対応した医療従事者への被災補償や、在宅療養患者については医師の電話診療による診断に基づいてファクシミリなどで抗インフルエンザ治療薬の処方箋を発行することなども検討する。

 パンデミックワクチンについては、必要に応じて輸入ワクチンも確保することや、病原性が高い場合には政府対策本部で接種順位を決定することなどを盛り込んだ。(9/21MEDIFAXより)

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