新人研修医に総合オリエンテーション/京都府医  PDF

新人研修医に総合オリエンテーション/京都府医

 京都府医師会(会長=森洋一)は4月2日、京都府内の病院で2011年度から臨床研修をスタートさせる研修医を対象に「研修医総合オリエンテーション」を開催した。都道府県医師会が地域の研修医を一堂に集めてオリエンテーションを行う試みは例がなく、この日は府内の約260人の新人臨床研修医のうち20施設近くから180人が参加した。

 京都府医は、今後も医師会主催のオリエンテーションを毎年行うほか、新人研修医をグループ分けし、4月1日に開所した医療トレーニングセンターを使ったシミュレーション・トレーニングなども年間4回ほど行う検討を進めている。

 オリエンテーションでは、患者とのコミュニケーションの在り方、医師の法的責任と医事紛争の動向、保険診療のルール、医療安全対策の基本などのほか、医療トレーニングセンターでの救急蘇生やチーム医療の体験コースも行った。講師は、民間の専門家のほか、森会長、安達秀樹副会長、府内の病院関係者などが務めた。

 「地域医療活動と医師会活動」と題してレクチャーした森会長は、日本の医療制度、医師会の存在意義などについての理解を求めたほか、府医がつくった医療トレーニングセンターなどの積極活用も促した。「医の理念」に触れる中で、自らがかつて委員長を務めた日本医師会「医師の団結を目指す委員会」の草稿を示して理解を求めたほか、「医師の育成には大きな国家投資が行われており、その行動には一定の制約がある」として、厳しい自己規律の必要性も強調した。また、今後は診療所での研修活動も強化したいとの意向を示し、開業医による指導医の資格取得を推進する対応策にも本腰を入れるとした。

●顔の見える連携づくりへ
 森会長は本紙に対し、総合オリエンテーション開催の試みについて「小さな組織の中だけで研修が終わると、根無し草の医師育成に終わってしまう懸念がある。研修医時代に施設を超えた顔の見える横の連携をつくり、それが地域医療に反映されるようにしたい」と意欲を語った。この日のオリエンテーションでは、メーリングリストの登録も行い、同日だけで半数近くの研修医が登録した。(4/5MEDIFAXより)

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