新予防給付の導入で高い費用対効果/介護予防継続評価事業  PDF

新予防給付の導入で高い費用対効果/介護予防継続評価事業

 厚生労働省の「介護予防継続的評価分析等検討会」は12月18日、介護予防関連事業の効果などを検証する「継続的評価分析支援事業」での新予防給付の費用対効果分析と、属性やサービス別の介護予防効果について報告した。新予防給付(要支援1) の費用対効果分析の結果、費用は減少し、要介護度は改善する効果が見られることが分かった。筋力増強訓練などは要介護度が維持・改善しやすいなど、サービス別でも効果が見られた。

 同検討会は2009年3月をめどに行う次回会合で、特定高齢者施策の費用対効果分析の結果を報告し、最終取りまとめを行う予定だ。

 同事業は全国83市町村を対象に実施。今回は新予防給付(要支援1) について、施策導入前(04年1月−12月) と導入後(07年1月−12月) のレセプトデータから費用対効果を調べた。施策導入前の費用4億9055万6000円に対し、導入後は3億8830万8000円で、新予防給付の導入により1億224万8000円の費用が減少していた。

 介護報酬マイナス改定による給付費の減少が影響していることも考えられることから、施策導入前後で費用単価が変わらなかったと仮定した調査も実施。この場合も施策導入後は6122万4000円減少しているなど、費用対効果が見られた。

 新予防給付の導入前後で要介護度の悪化する割合が減少し、一定の効果が見られることは前回までの調査報告で明らかになっている。同検討会はこれらの結果を踏まえ「新予防給付の導入は優れたものとして判断可能」としている。

 属性やサービス別の介護予防効果分析は、同事業データベース(07年1月−08年7月) の要支援者と特定高齢者7636人を対象に実施。サービス別に見ると、運動器の機能向上プログラムで筋力増強訓練などを行っている場合、要介護度などが有意に維持・改善していた。一方、レクリエーション・ゲームでは維持・改善しにくいことも分かった。属性別では、女性や独居者、本を読むなど認知的活動量の多い人ほど維持・改善がしやすかった。

 同検討会は次回、運動器の機能向上以外で介護予防効果が期待できるサービス内容や、属性とサービス内容を結び付けた分析を行うとしている。(12/19MEDIFAXより)

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