文化企画 酒造りはもてなしに通ず
石島 健(右京)
5月10日、伏見区にある、松本酒造さんに行ってまいりました。松本酒造さんは、18世紀末に屋号「澤屋」として酒造りを始めた老舗です。日出盛や桃の滴などが主な製品で、私も日ごろからおいしくいただいておりますので、今回の企画を非常に楽しみにしておりました。
竹田駅に午後2時20分集合。風は多少強いものの好天に恵まれ、タクシーに分乗して出発。数分で、新高瀬川西岸にある酒造場に到着いたしました。
まずは畫舫園と名付けられた庭園を松本社長に案内していただき、お酒を造ることが人をもてなすことに通じていることを教えていただきました。
次に案内いただいた巨大な酒蔵は、なんと1922年(大正11年)に建てられた木造建築です。その翌年の関東大震災で国の建築基準が見直されたために、現在稼働している木造建築物としては最大級の2000平米の敷地を誇ります。
外観は年季の入った木造建築ですが、内部では近代的な機械によってお酒が造られています。当日は日出盛が仕込まれており、発酵中のもろみを見学しました。アルコール度数19度の濃厚な味わいに舌鼓を打ちました。更にこの酒蔵は現役最古の木造ということで、経済産業省の近代化産業遺産に登録され、また、京都市の景観重要建造物にも指定されていることで、耐震化工事を施行する際にも金属は一切使用せず、全て木製の耐震材を用いたとのことに感銘を受けました。
その後ホールに移り、お待ちかねの試飲会の開始です。伏見のなかうね酒店さんのご厚意でカツオの酒盗、干しホタルイカ、チーズの酒粕漬けという、日本酒に最適のおつまみも供され、まずは桃の滴で乾杯です。その後屋号を冠した「澤屋まつもと」などのおいしいお酒を皆で沢山いただき、試飲会というよりも宴会となって終了いたしました。
本当に楽しい会でした。ありがとうございました。