文化企画 第2回 日本酒講座
京都米と伏見の清水で醸すお酒を堪能
協会は、第2回日本酒講座を11月22日に開催。参加者は24人となった。会場は伏見区の招徳酒造で、蔵元から日本酒の歴史を聞いた後、酒蔵見学や試飲を楽しんだ。以下、参加記を掲載する。
純米酒こそ日本酒——米と米麹と水
上口美知子(宇治久世)
11月22日、伏見区にある招徳酒造さんを訪ねました。松本酒造さんに次ぎ2回目の日本酒講座です。
1645(正保2)年、洛中にて「木村家」が興した江戸時代初期からの歴史的な酒造さんです。蔵元の木村紫晃氏から日本酒の歴史を伺った後、酒蔵を案内していただきました。
まず「水」。蔵内の井戸より汲み上げた伏見の名水は軟らかく水質がよく、仕込水にぴったりとのこと。杜氏さんは蔵に入る前に必ずこの井戸水で体を洗うそうです。我々もマスク、キャップ、白衣、白長靴姿に変身して神妙に蔵に入ります。
木造、白壁の蔵は高瀬川の東岸にあり懐かしさいっぱいの趣ある建物。足を踏み入れると芳しい香りとひんやりした空気。とれたてのお米で仕込みの真っ最中です。
次に「米」と「米麹」。洗米を1晩寝かせ蒸した後、自然冷却。気温が低いほどいい。蒸米、水、米麹を混ぜた後酵母菌と混ぜて最初の発酵を2〜3日かけて行います。これを酒母(もと)と呼びます。これを発酵が進むタイミングでさらに大きなタンクに移し蒸米、米麹、水を加える工程を繰り返して、最終的に十数倍の量となり、アルコール度12%の原酒となるそうです。
ぷつぷつと発酵中のタンクを覗かせてもらいました。楽しい。約50年前からのホーロー製のタンクが今も活躍。
そして「人」。発酵の全過程は杜氏さんが綿密にコントロール。女性杜氏、大塚真帆さんが活躍しておられるのも頼もしい限りです。
各工程の丁寧で綿密かつ繊細な技にすっかり魅了されました。木村氏は気温の低さと水質が大切と強調。雑菌が少なくじわじわとゆっくり発酵が進むのが理想だからです。
酒米は「五百万石」、「日本晴」、「祝」など。府下の農家と連携し減農薬栽培も進めているとのこと。しっかり勉強を終えて、試飲会。純米大吟醸をはじめ美味しいお酒をいただき、つい陽気になります。
キーワードは米と、米麹と、水。「純米酒こそ日本酒」。招徳酒造さんの理念。すばらしい純米酒に納得し、1升瓶を購入して家路につきました。