文化企画 史跡の静かな佇まいにため息 文化ハイキングで東山巡り  PDF

文化企画 史跡の静かな佇まいにため息 文化ハイキングで東山巡り

 「文化ハイキング―秋の東山南部の史跡を巡る」を10月20日に、15人の参加者で開催。当日は、あいにくの雨模様となったが、秋の一日を楽しんだ。

 まず一行は「智積院」へ。ここでは利休好みの庭と長谷川等伯一派の見事な障壁画を鑑賞。また「妙法院」では国宝の庫裏を見学。さらに一行は秀吉ゆかりの「豊国神社」に到着。宝物館に展示されている豊臣家にまつわる遺品の数々を見ることができた。

 昼食のあと、浅井家・徳川家の菩提寺「養源院」、三十三間堂「南大門」から東山通を南下し「新熊野神社」へ。ここでは後白河上皇御手植と言われる大楠を見ながら、世阿弥・観阿弥が足利義満の面前で猿楽を演能した往時を偲んだ。

 泉涌寺道を上がって、まずは「即成院」へ。当日は年一度の「お練供養法会」が開かれ、雨の中、菩薩の面に金襴装束の児童が二十五菩薩に扮し、極楽から死者を迎えて来迎する様を伺うことができた。「戒光寺」では、運慶・堪慶合作で、他に類をみないほど大きな木彫の釈迦如来像を見学。また「悲田院」では境内から雨雲にかすむ市街を展望した。「泉涌寺」本坊では荘厳な仏殿などを巡り、「雲龍院」では、蓮華の間や悟りの間などで書院から趣向を凝らした静かな佇まいの庭を見ながら、しばし心を休めた。

 帰路につく頃には、ようやく雨も上がり、釣瓶落としの秋の落日は早く、一行は史跡巡りを満喫することができた。

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