教育指針を改訂、実習を充実へ/医学教育カリ検討会が報告書
文部科学省の「医学教育カリキュラム検討会」は4月13日、卒前・卒後の一体的な医師教育体制の構築に向けて基本的な方向性を示した報告書(意見の取りまとめ)をまとめた。基本的診療能力の習得や地域医療を担う意欲・使命感の向上などを柱とし、具体的な方策として、大学での医学教育の指針となる「モデル・コア・カリキュラム」の改訂や、臨床実習に必要な最低単位数を法令上明確化することなどを求めている。
報告書では、医学教育の現状について「臨床実習の内容・程度には大学間、診療科間で格差があり、個々の診療科等で独立して実施されている状況も見られ、診療参加型臨床実習への転換は必ずしも十分ではない」と指摘。
改善に向けた基本的な方向性として(1)基本的診療能力の習得と将来のキャリアの明確化(2)地域の医療を担う意欲、使命感の向上(3)基礎と臨床の有機的連携による研究マインドの涵養(4)学習成果を生かす多面的な評価システムの確立(5)医学教育の充実に必要な指導体制の強化―の5点を挙げた。
基本的な方向性を具体化させるため、モデル・コア・カリキュラムを改訂し、内科や外科など基本科目の実習を充実させることや、地域の多様な現場に触れ、地域の人々に接する機会を設けることを提案した。
基本的診療能力を習得させるための方策としては、大学設置基準の改正によって臨床実習に必要な最低単位数を法令上明確化させることや、診療科横断的に臨床教育の企画・調整を行う委員会を大学に設ける必要性を指摘した。
地域医療を担う意欲や使命感の向上のため、大学が医療機関や自治体、医師会と一体となって地域全体で医師を養成・確保するシステムの構築を推進するとしている。(4/14MEDIFAXより)