救急隊の照会回数を記録/受け入れ拒否問題で提言
総務省消防庁の救急統計活用検討会は4月22日、救急搬送の受け入れ拒否問題などの実態把握に向け、救急隊が医療機関に患者の受け入れが可能かどうか照会した回数を記録するよう求める報告書をまとめた。
医療機関の受け入れ状況を示す統計データには現在、「転送」という項目がある。しかし、地域によって、救急車が医療機関に到着後に受け入れを断られたケースだけだったり、車内からの照会も含めたりと統一性がなかった。
このため検討会は、受け入れの可否が事実上決まる「照会」について、実態を把握する必要があると指摘。併せて、受け入れ拒否の理由も報告すべきとしている。
報告書ではこのほか、患者ごとにきめ細かい対応ができるよう、患者の年齢区分を新生児から高齢者までの5種類から、高齢者を75歳未満とそれ以上に分けるなどして9種類に増やし、疾病の区分も細分化するよう求めている。
報告書を受け、消防庁は今後、関係学会などと協議。報告項目の定義を明確化した上で、新たな統計システムの普及を進める。
救急搬送の記録は、個別の出動ごとにオンラインに入力、最終的に消防庁が全国の状況を集約している。【共同】(4/24MEDIFAXより)