救急応援の診療所医師に補助金/厚労省、10年度から  PDF

救急応援の診療所医師に補助金/厚労省、10年度から

 厚生労働省は、地域の診療所医師が2次救急医療機関などの夜間・休日の診療支援を行う際の経費を補助する「診療協力支援事業」を、2010年度から実施する。2次救急医療機関の要請を受けて、診療所が医師を派遣した際に出される手当のうち、1人1回当たり1万3570円を上限に国が補助する。病院勤務医の負担軽減とともに、診療所医師の救急医療への参画を促すのが狙いだ。

 「診療協力支援事業」の予算総額は2億2949万円で、1施設当たりの積算単価は約500万円を見込んだ。国の補助率は3分の1で残りは都道府県などが補助する。

 厚労省は2月26日、全国医政関係主管課長会議で事業の詳細を示した。会議では「オンコール体制などを取っている場合は対象となるのか」と質問が上がった。厚労省医政局指導課の古川浩二課長補佐は「原則としてオンコール体制だけでは対象とならない。オンコールで診療所の医師が2次医療機関に呼び出されて診療を行った場合に対象になる」と説明した。

 厚労省は、受け入れ困難事案の患者を受け入れるために空床を確保した場合に補助する「受入困難事案患者受入医療機関支援事業」も10年度から実施する。改正消防法で策定が義務付けられた「傷病者の搬送と受け入れの実施基準」に対応して新設した。実施基準では、救急受け入れに対応する医療機関を緊急性や専門性などに応じ、あらかじめリスト化することになっており、リストに記載された病院では救急受け入れに対応するため空床の確保が必要になる。

 同事業も国の補助率は3分の1で、1日1床当たり原則2万9110円を国が補助する。予算総額は4億5068万円。受け入れ困難事案としては▽急性アルコール中毒▽背景に精神疾患がある場合─などが挙げられている。

 全国医政関係主管課長会議ではこのほか、NICUに入る新生児を担当する医師への手当を補助する「新生児医療担当医確保支援事業」(新生児が1人入院するごとに1万円、NICU入院初日のみ)、小児専門病院・中核病院を小児救命救急センター(仮称)として位置付け運営経費を補助する「小児救命救急センター(仮称)運営事業」(積算単価=1カ所あたり約2億2200万円)などの要綱も示した。(3/1MEDIFAXより)

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