救急受け入れGL「地域特性に配慮を」/厚労省・消防庁の作業部会
厚生労働省と総務省消防庁の「傷病者の搬送及び受入れの実施基準等に関する検討会作業部会」(座長=有賀徹・昭和大医学部教授)は8月25日、改正消防法で都道府県ごとに策定が義務付けられる「傷病者の搬送と受入れの実施基準」を策定するためのガイドライン(GL)について議論した。厚労省と消防庁は重篤度や病態・症状により対応する医療機関を分類する一方、医療機関が限られた地域では医療機関を細かく分類せずにリスト化する考えを示した。構成員からも「地方の特性に配慮したGLを」との意見が相次いだ。
厚労省と消防庁は、脳卒中や急性心筋梗塞・胸痛、外傷・熱傷・中毒などの病態について、医療機関のリスト化案を提示した。脳卒中の場合、脳梗塞であれば「t‐PAの適応の有無」、脳出血では「手術の適応の有無」で医療機関をリスト化。胸痛の場合は虚血性心疾患や大動脈解離、緊張性気胸などの病態と、心臓カテーテル術の可否など可能な治療法などで分類するとした。
一方、地方など医療機関が限られた地域では、こうした細かなリスト化は行わず、「脳卒中対応医療機関」「胸痛対応医療機関」などと大まかに分類してリスト化する方向性を示した。(8/26MEDIFAXより)