救急医4人が一斉辞職/鳥取大、激務や人員不足  PDF

救急医4人が一斉辞職/鳥取大、激務や人員不足

 鳥取大病院救命救急センター(鳥取県米子市)の八木啓一教授ら救急医4人全員が3月末、一斉に辞職する。激務による心身の疲労や人員不足、病院への不満などが理由。八木教授は「体力、気力が限界。辞めて訴えるしかなかった」としている。

 センターは、生命の危険がある重症患者を24時間態勢で受け入れる3次救急医療機関。

 八木教授と准教授、若手医師2人が所属する救急災害科は、2006年秋に医師2人が辞職して以降、負担が増加。若手医師は、地域の病院への応援を含め月約10回の当直が常態化していたという。

 04年から臨床研修先を自由に選べるようになった影響で、鳥取大病院は研修医が都市部に流出するなどして激減。研修後に救急災害科を希望した医師は「1人だけ」(八木教授)だった。

 ほかの診療科からの応援医師3人と計7人で当直を回していたが、若手医師2人が08年夏「ここにいたら忙殺される。外で腕を磨きたい」と辞職を申し出て、八木教授と准教授も辞意を固めた。

 病院は後任の教授を確保したが准教授は未定。ほかの科の医師を救急災害科に所属変更するなどし、4月以降の患者受け入れに支障はないとしている。

 母校の鳥取大で後進を育てるのが夢だったという八木教授は「鳥取を見捨てるようで、地元の人に非常に申し訳ない」と複雑な心境を明かした。【共同】(3/31MEDIFAXより)

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