救急出動件数が大幅増/10年上半期、消防庁が速報
2010年上半期(1月から6月末)の救急出動件数の伸び率が前年同期比6.1%増と大幅に伸びていることが10月25日、総務省消防庁が公表した速報で分かった。年間の救急出動件数は近年、横ばいからやや減少の傾向が続いていたが、大幅に増加する可能性が出てきた。
消防庁救急企画室は「大幅増となった原因はよく分からない。原因を調査・分析し、少しでも効果が出るようこれまでの対策を継続していきたい」としている。
●年間出動件数、過去最高の予測も
上半期の救急出動件数は262万457件で、前年同期比で15万1535件(6.1%)の増。上半期の速報調査を始めた08年以来、上半期の救急出動件数は2年連続で減少していたが大幅な増加に転じた。搬送人員は239万76人で、前年同期比13万1582人(5.8%)の増加となった。
救急企画室によると、現在のペースで年間救急出動件数を予測すると、過去最高となる540万件を超える可能性もあるという。
●「急病の傷病者の増加」が原因?
増加した消防本部に要因を聞いたところ「急病の傷病者の増加」が最も多い518本部(75.0%)となった。次いで「高齢搬送者の増加」が441本部(63.8%)、「緊急性がないとまではいえないが、交通手段がないため要請する傷病者の増加」が140本部(20.3%)となった。「不適正利用者の増加」と回答したのは89本部(12.9%)だった。
減少した消防本部の要因では「一般市民への救急車適正利用の広報活動」と回答した消防本部が55本部(50.0%)と半数を占めた。(10/26MEDIFAXより)