救急出動件数、過去最高の546万件/消防庁10年速報
2010年の救急出動件数と救急搬送人員が過去最高となったことが2月18日、総務省消防庁が公表した救急出動状況の速報で分かった。救急搬送の件数は546万3201件で前年比6.7%の増、救急搬送人員は497万9213人で前年比6.3%の増となった。救急出動件数は07年をピークに減少し、過去2年間は横ばい傾向となっていたが、07年を上回る大幅な増加となった。同庁救急企画室は「消防本部の印象では高齢傷病者の増加が多かったが、詳細な要因は明確に答えられない」としている。
都道府県別では、全都道府県で救急出動件数が増加しており、全国802消防本部のうち、件数が増加した消防本部は748本部(93.3%)に上った。減少した消防本部は52本部(6.5%)、増減がなかった消防本部は2本部(0.2%)だった。事故種別の出動件数では急病が最も多い339万696件で、前年比24万8814件、7.9%の増。増加件数の約7割を占めた。転院による出動件数も46万8821件となり、前年比2万1943件、4.9%の増だった。
●要因は「高齢傷病者の増加」が8割
出動件数が増加した748本部に増加した要因を聞いた質問では「高齢の傷病者の増加」が最も多く、605本部(80.9%)に上った。10年夏の猛暑の影響もあり「熱中症傷病者の増加」を挙げた消防本部も406本部(54.3%)となった。「緊急性が低いと思われる傷病者の増加」は287本部(38.4%)だった。(2/21MEDIFAXより)