救急出動、6年連続で500万件超/10年版消防白書
総務省消防庁がまとめた2010年版消防白書によると、09年の救急車などの救急出動件数は512万5936件(前年比0.5%増)で、6年連続で500万件を超えた。救急車の搬送人数468万2991人のうち、入院加療を必要としない軽症傷病者と「その他」に分類される人を合わせると過半数の50.8%を占めた。
消防庁は、救急搬送を受け入れてもらえる医療機関の選定が困難だった事例が全国で相次いだことから、07年から「救急搬送における受入状況等実態調査」を実施している。07年以降も受け入れ医療機関の選定困難事案は増加していたが、09年の実態調査では▽重症以上傷病者の搬送▽産科・周産期傷病者の搬送▽救命救急センターなどへの搬送―で、救急隊が4回以上の照会を行った件数が減少した。
救急車の出動件数は、全国で1日平均1万4033件(前年1万3965件)で、6.2秒(同6.2秒)に1回の割合で救急隊が出動し、国民の27人に1人(同27人に1人)が搬送されたことになる。現場までの到着時間は平均7.9分(同7.7分)とやや延びた。医療機関までの収容所要時間も平均36.1分(同35.0分)で、1.1分長くなった。
救急車の搬送人員のうち救急隊員が応急処置などを行った傷病者の割合は97.8%(457万8159人)。応急処置の件数は1102万9706件(2.5%増)で、うち救急救命士が傷病者の蘇生などのために行う高度応急処置件数は9万7164件で前年比4.7%増となった。(12/2MEDIFAXより)