救急の拡充には療養病床の確保を/慢性期医療学会  PDF

救急の拡充には療養病床の確保を/慢性期医療学会

 国立病院機構大阪医療センター救命救急センターの定光大海診療部長は6月26日、浜松市で開かれた日本慢性期医療学会のシンポジウム「救急崩壊と慢性期医療」で、急性期医療側から見た療養病床の必要性などについて講演した。3次救急医療などで入院中の患者を退院させられないため、新たに患者を受け入れられない状態が起きていることに強い問題意識を示し、患者の受け皿となる慢性期病院との連携を円滑に行うことで、急性期医療の拡充を図るべきと強調した。

 定光氏は、2008年4月から09年3月の間に、大阪医療センターを退院した救急搬送患者646人のうち、約17%が入院期間が1カ月以上(救命救急センターとその後の一般病床の利用を含め)だったと報告。このうち、ほかの医療機関に移り、30日以上の入院が必要だった患者の転院先の約8割は、回復期リハビリテーション病床と療養型病床だった。

 これらの結果から定光氏は、急性期病院に十分な人員がいても、満床などの理由で患者の受け入れが困難な場合があるとし、慢性期病院など受け皿となる医療機関との連携の必要性を強調した。「療養病床の確保は救急医療全体にも影響する」とも指摘。「受け入れる病院で、こういう患者は受けられる、こういう患者は無理と言ってもらい、可能な患者を受け入れてもらう。そこに連携が発生する」と話した。(7/1MEDIFAXより)

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