政府税調、取りまとめの議論開始
政府税制調査会(会長=野田佳彦財務相)は10月6日、首相官邸で総会を開き、2011年度税制改正の取りまとめに向けた議論を始めた。総会では、10年度から持ち越された検討課題として、医療機関の社会保険診療報酬にかかる事業税の非課税措置の見直しも挙がった。政府税調は今後、各税目の議論について各省庁や党側の要望を踏まえた上で、12月中旬の取りまとめを目指す。
事業税の非課税の見直しと医療法人に対する軽減税率適用の撤廃は10年度税制改正で総務省が求めていたが、厚生労働省が反対し、いずれも存続となった。ただ、10年度税制改正大綱でこの2つは「一年間真摯に議論し結論を得る」として11年度の検討課題となった。11月以降の政府税調で議論になるのは必至で、両省の折衝に注目が集まる。
また、中長期の課題には、毎年1兆円ずつ増える社会保障費をめぐって、国債に頼らずに財源を確保するための税制の抜本改革がある。
民主党はすでに消費税を含む社会保障財源を議論する「税と社会保障の抜本改革調査会」(会長=藤井裕久前財務相)を設置している。今後、政府と党の両方が消費税の問題を扱うことになる。(10/7MEDIFAXより)