政府民主、一体改革素案の内容決定/消費税14年8%・15年10%
民主党の税制調査会(藤井裕久会長)と「社会保障と税の一体改革調査会」(細川律夫会長)の合同総会は12月29日、消費税を2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げることを含め、一体改革の税制抜本改革に関する方針をまとめた。党政策調査会役員会は12月30日、この方針を了承。政府は、党の方針を踏まえて税制調査会で一体改革素案「案」の税部分をまとめ、一体改革関係5大臣会合で素案「案」の全体を了承した。政府・民主党による素案の内容は事実上、確定した。今後、国民新党と協議しながら、年明けの政府・与党社会保障改革本部で素案を正式決定する見通しだ。
●国の消費税収は社会保障4経費に
素案「案」は、消費増税を税制抜本改革の最大の柱と位置付けた。国の消費税収の全てを医療、介護、年金、子育ての社会保障4経費に充てることを法で明確にする方針を掲げ「会計上も予算等において使途を明確化することで社会保障財源化する」と記した。その上で、低所得者への介護保険料・国民健康保険料の軽減措置や、年金加算など「きめ細かな機能強化策」を着実に手掛けるという。
一方、経済に配慮して消費増税を実施する姿勢も示した。税率引き上げ前にさまざまな経済指標を確認し、経済状況などを総合的に勘案した上で「引き上げの停止を含め所要の措置を講ずるものとする規定を法案に盛り込む」とした。
税全体では、所得再分配機能を回復させる観点から「特に高い所得階層」に絞って一定の負担増を求める方針だ。所得税では15年分から、課税所得が5000万円を超える層の税率を引き上げて45%とする。
また、社会保障・税番号(マイナンバー)の導入を見据え、総合合算制度や給付付き税額控除など、再分配に関する総合的施策を導入する方針も示した。施策実現に至るまで、暫定的に「簡素な給付措置」も実施する。(1/6MEDIFAXより)