政府案「社会保障改革とは言い難いつじつま合わせ」/日薬  PDF

政府案「社会保障改革とは言い難いつじつま合わせ」/日薬

 日本薬剤師会(児玉孝会長)は6月3日、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」が6月2日に公表した社会保障改革案で、医薬品の患者負担見直しが盛り込まれたことについて「社会保障改革とは言い難い、単なる財源上のつじつま合わせであり、強く反対する」との見解を発表した。

 日薬は、改革案についておおむね妥当だと一定の理解を示す一方で、改革案の文言からは医療用医薬品に類似の市販医薬品がある場合は市販医薬品の価格を参考に医療保険での給付に格差を付けると読み取れるとして強く反発。疾病の違いや使用する医薬品によって保険給付に差がつき、必要な医薬品が使用できなくなるとの懸念を示した。

 また高額療養費の見直し策として、初診・再診時の患者負担に100円を上乗せする定額負担制度を盛り込んだことについても反発。皆保険制度で確保するフリーアクセスを阻害するもので、患者の受診抑制や重症化に直結する大きな問題だと指摘。混合診療導入に向けた施策ではないかとの懸念もあるとして「到底容認できるものではない」とした。

 消費税率を上げる方向性については、医療機関・薬局での「控除対象外消費税」の問題への十分な議論が不可欠とした。(6/6MEDIFAXより)

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