政府の規制改革方針「独断的手法」と非難/日医・中川副会長  PDF

政府の規制改革方針「独断的手法」と非難/日医・中川副会長

 日本医師会は8月3日の定例会見で、政府が7月22日に閣議決定した規制・制度改革方針に対する見解を示した。中川俊男副会長は「審議会などの議論を踏まえたものではない。政府の独断的な進め方を非難せざるを得ない」とあらためて議論の進め方を批判した。

●「一体改革を間接的に閣議決定」の意図あり<br/.
 また、今回閣議決定された追加方針の中には「社会保障・税一体改革成案を踏まえて検討する」としたものもあり、「一体改革成案を間接的に閣議決定しようとするもので、完全にルール違反だ。政府の手法を厳しく非難する」と語気を強めた。

 今回の見解は、ライフイノベーション分野の「中間取りまとめ」と「規制・制度改革に関する分科会第二次報告書」に盛り込まれた項目を基にまとめた。

 第二次報告書の社会保障改革の必要性の項目で、高齢者医療制度と介護保険制度の一元化が挙がっていることについて「医療保険は現物給付、介護保険は現金給付で『一元化』には制度上、無理があることも理解されていない」と指摘した。

 医療分野では、総合家庭医の制度確立について「新たな制度を創設し、管理医療、医療費抑制を進めようという意図がうかがえる」と警戒感を示し、公的保険の適用範囲の再定義は「範囲の縮小により、私的医療費を拡大させようとする流れに対しては、徹底的に阻止する」と反発した。

 項目別では、社会保障・税一体改革成案を踏まえて検討するとした高額療養費制度の見直しを挙げ「『受診時定額負担』を含んだ成案を間接的に閣議決定しようとする意図が感じられる」と厳しく非難した。

 一方、医療行為の無過失補償制度の導入については「社会全体による損害の分担のために無過失補償制度を検討する方向性は評価できる」とした。(8/4MEDIFAXより)

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