放影研保有データの早期解析を要請/保団連
保団連は11月22日、小宮山洋子厚生労働相に対し放射線影響研究所の保有する「対象群を含む寿命調査(LSS)対象者12万321人の基本調査データMSQ(Master Sample Questionnaire)」のうち、「黒い雨に遭った」と回答している約1万3000人について「低線量被ばく、内部被ばくの人体影響を知る上で、極めて有用かつ貴重なデータ」として速やかな解析を求める要請書を提出した。
広島、長崎両原爆の黒い雨の人体影響に関するテクニカルレポート(オークリッジレポート)では、爆心地から1600m以遠で被爆し、黒い雨を浴びた236人について、放射線の人体影響を分析。黒い雨を浴びた群では発熱、下痢、脱毛などの急性症状が高率に認められたとしており、長崎県保険医協会は「『黒い雨による人体影響はない』とする、従来の定説が崩れる」と指摘している。
保団連は、放影研が保有するデータには放射線の急性症状を詳細に聞き取る設問も含まれていることから、小宮山厚労相に対し「一刻も早く黒い雨データの解析を行い、結果を公表することを要請する」とした。(11/24MEDIFAXより)