放射線調査「被災民の安心に」/国立がん研究センターの派遣団
国立がん研究センター(嘉山孝正理事長)が3月17日に被災地に派遣した医療支援団が3月20日夕、同センターに戻り、支援団長の一人で、福島県内2カ所で放射線量のスクリーニングを実施した伊丹純・放射線治療科長が、除染対象となった住民4人について「ふき取り除染で大丈夫。大過はなかった」と、被災地での活動を報告した。
伊丹科長ら3人のスクリーニング支援団はいわき市と川俣町の高校で住民計1130人の放射線量を調査し、微量汚染(1万3000cpm以上)の住民が24人、軽度汚染(10万cpm以上)の住民は4人いたと報告した。軽度汚染の4人については外とうを脱げば検出値に問題はなく、対応はふき取り除染で十分だったとした。
伊丹科長は原発被害について「憂慮しなければいけない事態」と放射線科医としての感想を述べた。一方で、住民が落ち着いてスクリーニングを受けたことにより安心につながったとし「もっと放射線科医が現場に行って、被災民を安心させたり、パニックを起こさないように説明することが必要だ」と話した。嘉山理事長は、今後のスクリーニング支援については職員の安全を守ることを念頭に、長期的な対応が必要だとの考えを示した。(3/23MEDIFAXより)