放射線被ばく「子どもは大人と区別を」/医師議連、官邸に要望へ  PDF

放射線被ばく「子どもは大人と区別を」/医師議連、官邸に要望へ

 医系議員でつくる超党派の「適切な医療を実現する医師国会議員連盟」は5月31日、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を受け、放射線被ばくに関する子どもへの対応は大人と区別すべきと訴える提言書をまとめた。被ばく量が年間20ミリシーベルトを下回る学校の校庭についても、除染をできるだけ実施すべきと主張している。近く提言書を官邸に提出する予定だ。

 文部科学省は、福島県内の児童や生徒が受ける放射線量の限界値について年間20ミリシーベルトと暫定的に規定している。3月に発足した議連は、放射線を浴びる子どもの問題などについて、5月上旬以降、議論を重ねてきたという。提言取りまとめ後に会見した議連幹事長の櫻井充財務副大臣(民主)は「低線量を持続的に被ばくすれば、がんの発生率は直線的に増加すると考えている。被ばく量はできるだけ減らすべき」と語った。また櫻井副大臣は、放射線に関する情報提供の遅さが混乱を招いているとの認識を示し、福島県内に限定せずに放射線の汚染マップを早急に作成すべきと訴えた。

 他に提言書では▽学校の校庭だけでなく通学路にある公園や道路などでも早急に除染を実施すべき▽可能な限りの除染を実施した上で居住地域として適切か否かの判断をすべき▽個人情報に配慮しながら住民の健康状態を持続的に調査し、住民からの相談に応じる体制を構築すべき―と主張している。(6/1MEDIFAXより)

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