放射線技師の業務範囲見直しで一致/チーム医療方策検討WG  PDF

放射線技師の業務範囲見直しで一致/チーム医療方策検討WG

 厚生労働省の「チーム医療推進方策検討ワーキンググループ」(WG、座長=山口徹・虎の門病院長)は11月16日、造影剤の血管内投与や下部消化管検査に関する業務を診療放射線技師が「診療の補助」として実施することができるとする方針で一致した。RI検査も診療放射線技師の業務範囲とする。近くチーム医療推進会議へ報告する予定だ。 同WGでは、これまでに▽CT検査の針の抜針▽大腸検査▽CT検査の造影剤注入―などについて、現場では診療放射線技師が実施していると指摘されていた。

 厚労省は、診療放射線技師業務実態調査(日本放射線技師会実施)で「実施している、するときもある」との解答のあった▽留置針からの造影剤投与▽造影剤自動注入器からの造影剤投与▽留置針の抜針・止血▽下部消化管検査に必要なネラトンチューブ挿入▽チューブよりバリウム・空気・ガストログラフィン注入▽カテーテル挿入部の触診▽造影カテーテル挿入▽造影剤をカテーテルから投与―について「医行為に該当するものと考えられる」と整理した。

 その上で診療放射線技師の業務範囲を見直し、CT検査・下部消化管検査などの実施に伴って必要な一定の行為(造影剤の血管内投与や下部消化管検査に関する業務)を検査関連行為とし、診療放射線技師が「診療の補助」として実施することができる方針を提案。WGからも反対は出なかった。

 業務範囲の見直しに伴って、基礎教育でも検査関連行為の安全かつ適切な実施のための教育内容を盛り込む。すでに資格を取得している人については、医療機関や職能団体が実施する教育研修を受けるよう促すとした。

 教育について堀内成子委員(聖路加産科クリニック副所長)は「有資格者に対して、しっかりとした研修や職能団体によるブラッシュアップなどが実施されるようお願いしたい」と求めた。

 今回の業務範囲の見直しでは、上部消化管検査に関してはリスクが非常に高いことから除外した。

 一定の行為(造影剤の血管内投与や下部消化管検査に関する業務)を検査関連行為とし、診療放射線技師が「診療の補助」として実施することができる方針を提案。WGからも反対は出なかった。

 業務範囲の見直しに伴って、基礎教育でも検査関連行為の安全かつ適切な実施のための教育内容を盛り込む。すでに資格を取得している人については、医療機関や職能団体が実施する教育研修を受けるよう促すとした。

 教育について堀内成子委員(聖路加産科クリニック副所長)は「有資格者に対して、しっかりとした研修や職能団体によるブラッシュアップなどが実施されるようお願いしたい」と求めた。

 今回の業務範囲の見直しでは、上部消化管検査に関してはリスクが非常に高いことから除外した。

 放射性同位元素を用いた検査(RI検査)も実態として診療放射線技師が実施しているが、法的な位置付けはないことから、診療放射線技師法に位置付け、政令にRI検査関連機器を追加するとした。

●チーム医療実証事業報告書案を了承
 現在、68施設(115チーム)で実施されている「チーム医療実証事業」について、同WGは1チームについて1報告書の作成・提出を求める方向で一致した。2012年3月中に報告書の提出を求め、1チームにつき委員3人程度からコメントを寄せる。また、報告書は「チーム医療実証事業報告書」として周知することとした。

 厚労省は12年度概算要求で「チーム医療普及推進事業」を要求している。チーム医療実証事業を実施した医療機関から20施設程度に委託し、ワークショップの開催などを通して地域へのチーム医療の普及・定着を図る。(11/17MEDIFAXより)

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