改定の基本方針、踏襲か根本見直しか/医療部会で論点議論
厚生労働省は8月26日の社会保障審議会・医療部会(部会長=齋藤英彦・名古屋セントラル病院長)に、2010年度診療報酬改定の基本方針策定に向けた議論のたたき台となる論点を示した。過去2回の改定の基本方針と「同様の構成とすることが考えられる」とした上で、閣議決定などで社会保障の機能強化の必要性が指摘されていることを踏まえて、次期改定の基本方針に盛り込むべき「視点」や「方向」について意見を求めた。委員からは「マイナス3.16%の改定が行われた06年度改定の基本方針の視点を、この期に及んで残す感覚は信じられない」(中川俊男委員・日本医師会常任理事)など、否定的な意見が相次いだ。
厚労省保険局医療課の佐藤敏信課長は、06年度改定時の基本方針では「質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点」など4つの視点に基づいた評価の「方向」を定めたと説明。08年度の前回改定時はこれらに加えて、産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担軽減を「緊急課題」に位置付けたほか、後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子を踏まえた改定を行うことを盛り込んだことを紹介した。その上で、次期改定の基本方針も「同様の構成とすることが考えられる」とした。(8/27MEDIFAXより)