支払機関の統合「ハードル高い」/支払基金の足利専務理事  PDF

支払機関の統合「ハードル高い」/支払基金の足利専務理事

 厚生労働省の審査支払機関の在り方に関する検討会(座長=森田朗・東京大大学院教授)は4月22日、社会保険診療報酬支払基金と国保連合会の委員からヒアリングを行った。足利聖治委員(社会保険診療報酬支払基金専務理事)は、公正な審査を担保する独立の第三者機関としての機能などを主張。支部間で査定率に差異があることについては、ワーキンググループを設置するなどして対応しているとした。国保連との審査の統合については「現状ではあまりにハードルが高すぎる」と述べた。

 国保連は、飯山幸雄委員(東京都国保連合会専務理事)が説明。国保関係業務のほか介護保険や特定健診などの業務を担っていると特徴を示した。支払基金との審査の統合については「同じルールで行っていることを考えれば、審査については考えられなくもない」とした。

 議論では、審査・支払いの手数料も問題となった。基金は事務費単価などを基に手数料を設定しており、医科・歯科はオンライン請求が104円、電子媒体請求が108円20銭、紙媒体請求が114円20銭。国保連はコストをレセプト審査件数で割った値を手数料単価として定めている。全国平均は2008年度で68円5銭。これまで、いずれも電子レセプトの推進などで引き下げを行っている。

 高田清彦委員(中国電力健康保険組合常務理事)は、両団体のコストなどについて質問し「コストが細かく、明確にされていない。今でも、もう少し手数料が下がるのではないのかと思っている。今後は在るべき姿を議論していくことが必要だ」とした。村岡晃委員(高知市保険医療課長)は「同じ審査をしているのに、これだけコストが違う。分かるように示してほしい」と要望した。

 医療側からは、遠藤秀樹委員(日本歯科医師会社会保険委員会委員)が「レセプトの電子化などで審査機関と保険者のメリットが出ていることが分かった。医療機関側のメリットが見えてこない。そういう議論も必要」と注文を付けた。(4/23MEDIFAXより)

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