支払基金、手数料80円に引き下げへ/サービス向上計画案  PDF

支払基金、手数料80円に引き下げへ/サービス向上計画案

 厚生労働省の「審査支払機関の在り方に関する検討会」(座長=森田朗・東京大大学院教授)が9月30日開かれ、社会保険診療報酬支払基金が2011年度−15年度に進める「サービス向上計画案」を明らかにした。ITを最大限に活用するなどの効率化を図り、レセプトの平均手数料を現在の90.24円から80円に引き下げることなどをうたっている。一方、保険者代表の委員は、支払基金に対する不満が7割以上に上るとする調査結果を示し「結果として支払基金は多くの保険者から選ばれる審査支払機関にはなっていない」と指摘した。

 支払基金のサービス向上計画案は、足利聖治委員(支払基金専務理事)の代理で出席した田中謙一経営企画部長が説明した。15年度までにレセプト電子化がおおむね完了することを踏まえ、ITを最大限に活用する仕組みに転換し、原審査のコンピューターチェックで発見される査定点数の全査定点数に占める割合を、現状の4割程度から15年度に7割程度に引き上げる。診療報酬と調剤報酬の突合審査や、複数月にわたるレセプトの縦覧審査も11年度から実施する。さらにブロック中核支部を中心に業務の集約を図り、15年度の職員定数は10年度比12.6%減の4310人に削減する。11月か12月の理事会で正式に決定するとした。

●保険者の7割以上が不満
 一方、高田清彦委員(中国電力健康保険組合常務理事)は、健保連と全国健康保険協会が実施した「支払基金に対する満足度等アンケート調査の結果概要」を報告した。7割以上の保険者が支払基金の業務に何らかの不満を持っており、「支部間格差がある」「事務費単価が高い」などが主な理由だったと説明。「7割以上が不満であることを重く見るべき。抜本見直しをして『見える化』をし、保険者が納得する必要があると考える」と訴えた。(10/1MEDIFAXより)

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