推進法・TPPで国会議員要請
受診抑制や未収金問題解決を訴え
政権交代後初の通常国会開催中の2月7日、垣田さち子副理事長と事務局が国会議員要請を行った。直接面談したのは、民主党の山井和則衆院議員・福山哲郎参院議員、日本共産党の穀田恵二衆院議員・井上哲士参院議員の4氏。
面談では、社会保障・税一体改革関連法である「社会保障制度改革推進法」の抜本的見直し、もしくは廃止を求めた。また、2012年5月に協会が行った韓国への医療視察を通じ、日本がTPPに参加すれば、国民皆保険制度だけでなく、国民生活を支えるあらゆる仕組みが破壊されると確信したことを伝え、TPPへ参加しないよう求めた。
さらに、地域医療をめぐる課題について府内の医師や病床数偏在、また診療科の偏在などの資料を提供。この間、協会が行った実態アンケートの結果も提供し、資格証明書交付による受診抑制や窓口一部負担金の未収問題の広がりを説明。いかに医療機関・患者にとって切実な問題となっているのかを訴えた。また、生活保護の切り下げ問題にも言及し、この間のマスコミによる生活保護不正受給バッシングと引き下げの問題は分けて考える必要があること、引き下げることによって他の制度にも多大な影響を及ぼすことを指摘。慎重な対応を求めた。
生活保護見直し問題にも言及
山井議員は生活保護の問題について、引き下げを行うことによって保険料の減免や最低賃金などに影響が波及する。不正受給の是正は大切なことだが、引き下げを行う理由にはならないと述べた。また、社会保障制度改革推進法の問題も大変大きい。社会保障改悪にならないよう精いっぱい頑張っていきたいと述べた。
福山議員も生活保護の問題について、受給者に対し、原則ジェネリック処方をと誘導することは人権上、問題がある。一部の不正受給やクレーマーの問題を全体の問題と捉えることが間違っている。また、生活保護の引き下げによって他制度へ波及する影響も大きな問題。詳細な試算が出ているわけではないが、特に子育て世代には多大な影響があると考えている。真摯にこの問題と向き合っていきたいと述べた。
また、民主党政権の3年3カ月の総括をしっかりと行い、反省すべき点は反省し、国民の信に応えられるよう頑張っていきたいと述べた。
穀田議員はTPPの問題について、京都で行った11月23日のTPP参加反対府民大集会は大きな成果。TPPは国民生活全般に関わる大きな問題との認識から、今後も引き続き反対の声を大きくしていきたいと述べた。また、府内の医師数・病床数・診療科の地域間格差の数字や受診抑制の実態アンケート結果、窓口一部負担金の未収問題について見過ごせない状況であるとの認識を示した。
井上議員は受診抑制あるいは生活保護の問題について、日常的に実態に接しておられる医師からの意見は大変貴重。推進法・TPPの問題について明確に反対している党ということで、協会アンケートでも評価いただけた。そうした声にしっかり応えていきたいと述べた。
自由民主党の安藤裕衆院議員、日本共産党の市田忠義参院議員については、秘書を通じて要請を行った。それ以外の議員についても、各部屋を訪問し要請書を届けた。