控除対象外消費税など個別案件は成案策定後/政府税調  PDF

控除対象外消費税など個別案件は成案策定後/政府税調

 政府の税制調査会は6月10日の会合で、社会保障と税の一体改革を実現するための財源確保に向けた税制抜本改革について議論した。主要税目に関する改革の方向性を、一体改革の成案に盛り込むことを目指す。医薬品などを購入した際の消費税を医療機関が負担している「控除対象外消費税」など個別の問題については、成案の策定後に検討を深める。

 消費税だけでなく、所得税、法人税、資産税など主要税目ごとに整理した論点を議論した。所得税では各種所得控除の見直し、法人税では実効税率の引き下げ、資産税では税率構造を見直して負担の適正化を図るなどの内容。一方、消費税については、税率引き上げの時期や幅といった具体的スケジュールについて成案決定後の検討事項にする方針を打ち出した。控除対象外消費税の問題は具体的に言及されていないが、終了後の会見で財務省の五十嵐文彦副大臣は「そうした個別の話は成案決定後」と述べた。

 会合ではまた、総務省の逢坂誠二政務官が、改革案に記載されている「消費税は、その全額を年金、医療、介護、少子化に対する施策に使う」という文言について、「地方に渡っている消費税は障害者福祉にも充てられている。もしそれができなくなるのであれば大きな問題」と強い危機感を示す場面もあった。

 次回は、社会保障改革案に対する税調としての意見案のたたき台を示して議論する。(6/13MEDIFAXより)

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