抜本改革実現へ与野党協議進める/古川一体改革担当相
野田内閣で社会保障・税一体改革担当相に起用された古川元久氏は9月2日夜、官邸と内閣府内で就任会見した。「安心できる社会保障制度の構築のため、一歩でも前に抜本改革を進める思いで、野党の皆さんに丁寧な説得を続ける」と述べ、改革の実現に不可欠な与野党協議の進展に注力する姿勢を示した。
新内閣による初めての閣議では、政務三役の基本方針の一つとして、社会保障の機能強化と持続可能性の確保を図るために、一体改革成案を早急に具体化することが盛り込まれた。しかし、作業スケジュールでは8月下旬に開始する予定だった与野党協議が始まる動きはなく、すでに遅れが生じている。
古川担当相は今回の成案について「自公政権がまとめたものもたたき台にしながら、われわれの考え方を乗せたものだ。議論のたたき台としては野党にかなり配慮している。これじゃなきゃ駄目ではなく、成案をたたき台にして議論しようじゃないかと、野党の皆さんに訴えていきたい」と、ねばり強く交渉する構えを見せた。「社会保障が政争の具になってきた結果、制度にほころびがあるのに抜本改革が進まなかった」とも述べた。
古川担当相は一体改革だけでなく、経済財政や国家戦略も兼務する。「大変な重責だが、3つは密接に関連している」と述べ、兼任には意味があるとの認識を示した。(9/2MEDIFAXより)