成育医療「自治体の支援不可欠」/日医総研WP  PDF

成育医療「自治体の支援不可欠」/日医総研WP

 日医総研はこのほど、ワーキングペーパー「成育医療の不採算に関する検討」をまとめた。全国の小児総合医療施設でつくる日本小児総合医療施設協議会の会員病院の経営状況を分析し「現在の医療水準を保持するためには国・自治体の財政支援が不可欠」と主張した。

 協議会の独立病院型の医療機関に着目して2005年度と06年度の経営状況を分析した。赤字の医療機関は05年度が17施設中16施設、06年度が18施設中16施設で、経常損益の平均は05年度が18.6億円、06年度が18.5億円だった。補助金などを加えても赤字だった施設は05年度が7施設、06年度が5施設で、ワーキングペーパーでは「苦しい状況にある」と分析した。

 さらに給与費、材料費、経費、減価償却費の比率を、独立型を除く自治体病院、民間病院の指標となるTKC医業経営指標の法人病院平均と比較した。給与費と減価償却費の比率は、自治体病院、民間病院よりも高かった。材料費と経費の比率は05年度はいずれも高かったが、06年度は自治体病院よりも低く、民間病院よりも高かった。

 ワーキングペーパーでは、差が最も大きかった給与費比率が高い原因を分析した。厚生労働省の06年度医療施設動態調査を用いて比較した。独立病院型では、一般病院に比べて医師数が1.9倍、看護師数が2.2倍の人員となった。低出生体重児の増加などのデータを示し「人数は過剰ではない」と結論付けた。さらに新生児集中治療室(NICU)の増床などから医師らの不足を招くとし「成育医療のさらなる不採算が予想できることから、国・自治体の臨機応変な対応が望まれる」と主張した。(3/10MEDIFAXより)

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