慢性期分科会の議論範囲、あらためて審議/中医協・基本問題小委
中医協・慢性期入院医療の包括評価調査分科会の池上直己分科会長(慶応大教授)は7月8日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で、分科会の議論の範囲を拡大し、中長期的な課題として、医療療養病床だけでなく慢性期医療全体を横断的に把握した上で議論することを提案した。基本問題小委の委員からは提案に理解を示す意見が大勢を占めたが、遠藤久夫委員長(学習院大教授)は「より具体的な範囲をあらためて文書で示してほしい」と求めた。
これを受けて同日午後に開かれた分科会では、次期診療報酬改定に向けて(1)患者分類の妥当性(2)各医療機関での分類の適切性(3)提供されている医療サービスの質―の検証を既存のデータで行うとともに、中長期的課題として「一般病床や介護保険施設等の、医療療養病床と機能が近接している病床等における慢性期医療」について検討することを示した文書案を大筋で了承した。基本問題小委の了承を得た上で、調査対象を含めた具体的な調査内容を議論する。
具体的な調査対象として、2011年度末で廃止される介護療養病床の患者や、特定患者から除外されて一般病床に入院している患者を優先して把握すべきだとする意見が出た。(7/9MEDIFAXより)