悩みやストレス、半数が「ある」/07年国民生活基礎調査の概況
厚生労働省は9月9日、「2007年国民生活基礎調査の概況」を発表した。同調査は、世帯構造や所得、健康、介護などの国民生活の実態を調べることが目的。通常は世帯と所得に関する簡易調査を行っているが、07年は3年に1度の大規模調査年に当たり、健康などに関する項目も調べている。
調査では「世帯」「健康」「介護」「所得」「貯蓄」の各項目ごとに調査票を作成。集計客体数は世帯票・健康票22万9821世帯、所得票・貯蓄票2万3513世帯、介護票5495人となっている。
健康に関する項目では、メンタルヘルス対策の必要性が指摘されている状況を踏まえ、今回初めて「こころの状態」について調べた。「神経過敏に感じたか」「絶望的だと感じたか」「そわそわ落ち着かなく感じたか」「気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じたか」「何をするのも骨折りだと感じたか」「自分は価値のない人間だと感じたか」という6項目の質問に対し、「いつも」と答えた割合は0.9−2.5%との結果を得た。また、男女別では、6項目すべてで女性の方が同等あるいは高くなっている。「いつも」「たいてい」「ときどき」を合わせた割合を男女別・年齢階級別にみると女性の25−34歳と35−44歳で高い結果を得た。
悩みやストレスの有無については「ある」と回答したのは48.2%で約半数に及ぶ。特に女性で仕事を持っている人の割合が多く、「仕事あり」では男45.9%、女56.6%、「仕事なし」では男41.2%、女49.2%となっている。
また、20歳以上で過去1年間に健診や人間ドックを受診した人の割合は61.4%。一方、受診しなかった人の割合は34.5%で、理由については「心配な時はいつでも医療機関を受診できるから」とした回答が30.6%と最も多かった。次いで「時間がとれなかったから」24.8%、「面倒だから」18.6%などと続く。40歳以上で過去1年間にがん検診を受診した者の割合は、男女とも胃がん検診が最も多く、男32.5%、女25.3%となっている。
世帯構造については、1世帯の小規模化、高齢化が進む一方で、児童数の減少傾向が依然続いている。07年6月7日現在の世帯数は4802万7000世帯で前年の4753万1000世帯から増加したものの、平均世帯人員は2.63人で、前年の2.65人から減少した。
65歳以上の高齢者がいる世帯は前年の1828万5000世帯から1925万9000世帯に増加。65歳以上のみで構成、またはこれに18歳未満の未婚者が加わった高齢者世帯は前年の846万2000世帯から900万7000世帯に増えた。一方、児童のいる世帯は06年の1297万3000世帯が1249万5000世帯に減少。児童のいる世帯の平均児童数も前年の1.72人から1.71人に減少した。 (9/10MEDIFAXより)