急性期看護補助体制加算「25対1」創設へ/中医協総会
厚生労働省は12月7日の中医協総会に、次期診療報酬改定に向けて、看護職員の負担軽減と処遇改善に資する計画の策定を「急性期看護補助体制加算」の要件とすることを提案した。勤務医の負担軽減計画の“看護職員版”。同加算については、現行報酬体系の「50対1」「70対1」の配置を上回る「25対1」の創設も提案。各側委員から反対がなかったため、具体化に向けて要件などを詰めていく。病院勤務医の負担軽減策の追加提案もあり、おおむね了承された。次期改定での病院医療従事者の負担軽減策の大枠が固まった。
●「みなし看護補助者」は一定の適正化
急性期看護補助体制加算は、もともと病院勤務医の負担軽減の観点から「勤務医」が行っている業務の一部を「看護職員」に担ってもらうため、「看護職員」でなければできない業務に専念できるよう「看護補助者」の配置を評価するため2010年度改定で新設した。ただ、看護補助者の数を算出するに当たっては、入院基本料等の施設基準で必要な数を超えて配置している看護職員を看護補助者とみなして差し支えないことになっている(みなし看護補者)。
厚労省は「より役割分担を進めていくには、みなし看護補助者ではなく、看護補助者を配置することに対する評価であることを明確にすることから、必要以上に看護職員を雇用しているみなし看護補助者については、適正化を進めさせてもらいたい」と提案。反対意見はなかった。このほか、夜間看護補助者の配置も評価するとした。
●医師事務作業補助体制加算100対1は廃止へ
一方、病院勤務医の負担軽減に向けて厚労省は、「医師事務作業補助体制加算」について、医療現場の意向を踏まえ「50対1から25対1までの評価を刻む」とする一方で、算定割合が低い「100対1」の廃止と、「75対1」の適正化を進めることを提案した。
また、一定以上医師が配置されている小児、産科、救急関係の入院料(救命救急入院料など)では、交代勤務制の導入を検討事項に挙げたほか、当直後の予定手術に対する配慮も、勤務医の負担軽減計画の項目の一つとすることを提案した。これまで負担軽減計画で任意項目となっていた医師・看護師等の業務分担などについても、必須事項として記載を義務付けることも提案。了承された。
今回の提案に対して西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「医師事務作業補助体制加算100対1を廃止し、75対1の点数を引き下げるのであれば、50対1についても中小病院が算定できるよう年間の緊急入院患者数などを配慮すべきだ」と述べ、新たに療養病棟や精神科病棟でも算定できるよう対象を拡大すべきと指摘した。
看護師の負担軽減の必要性が診療報酬の中で明確化されることについては、福井トシ子専門委員(日本看護協会常任理事)が「次期改定は、この方向で賛同する」とし、今後も継続して検討するよう求めた。(12/8MEDIFAXより)