急性期病院の9割「療養病床数の維持・増加が必要」/
保団連調査
急性期病院の過半数が、救急医療体制の確保のために「少なくとも現状の療養病床数を維持すべき」と考えていることが、保団連の病院・有床診対策部会がこのほど行った「急性期医療機関における療養病床削減に関する影響調査」で分かった。約3割の病院が「現在より病床数を増やすべき」と回答し、全体の約9割が療養病床数の現状維持か増加が必要とした。調査結果を受けて保団連は、11月21日付で介護療養病床廃止の撤回などを求める要望書を舛添要一厚生労働相と衆参厚生労働委員会に提出した。
調査は2008年10−11月に急性期病院を対象に実施し、12都府県の247病院から回答を得た。急性期病院で治療を受けた後の慢性期患者の受け皿となる後方病院(療養病床を持つ病院を含む) について、「現在でも不足している」とした急性期病院は47.1%で、「何とか確保している」(41.2%) と「問題なし」(3.8%) を上回った。
療養病床廃止・削減による救急体制確保は、54.3%の病院が「体制確保のためには現状の病床数維持が必要」とした。「今より病床数を増やすべき」との回答も32.1%に上った。一方、療養病床削減に対し「問題なし」としたのは7.8%にとどまった。
療養病床再編で創設された「介護療養型老人保健施設」については、47.1%が慢性期患者の受け入れ先として「不適」と回答。「患者の急変時に対応可能かどうかで判断する」とした病院は38.9%で、「問題なし」としたのは4.3%だった。
保団連は調査結果を受けて、「このまま介護療養病床が廃止され、医療療養病床が削減されれば、行き場のない医療難民や介護難民が各地であふれることは明らか」と指摘し、21日付で要望書を提出。要望書では、介護療養病床廃止の撤回のほか、(1)医療療養病床について、12年4月以降も現行の看護・看護補助配置を認め、医療区分1をはじめ診療報酬を正当に評価すること、(2)介護療養型老健の介護報酬の引き上げと、従来型老健からの転換を認めること─などを求めた。(11/27MEDIFAXより)