急性期病床の「長期患者」も論点に/次期改定で中医協
厚生労働省は11月11日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大教授)で、次期診療報酬改定に向けた入院料の論点として▽医療機能分化を評価するための入院料の適切な設定▽各病棟の患者像に合致しない患者の評価―を挙げ、議論を求めた。
厚労省は、以前は室料や看護料、入院時医学管理料などに分かれていたものを、2000年度改定で、入院に関する基本的な医学管理、看護、療養環境の提供を含めた費用を評価する現行の入院料体系になったと解説した。
また、日本の医療提供体制の特徴として、OECD諸国と比較して医師数は少ないものの、看護師数や薬剤師数は人口当たりで中位から上位に位置すると説明。人口当たりの病床数が突出して多く、医療従事者が薄い配置になっていると指摘した。平均在院日数については、急性期でも諸外国と比べて突出して高いとした。
急性期、亜急性期、慢性期など病棟の機能分化を図るため診療報酬で評価しているが、診療報酬上想定する入院患者の病態と、実際の病態が一致しているかどうか検証が行われている分野もあるとした。
その上で「医療機能の分化の観点から、超急性期、急性期、亜急性期、慢性期を評価するための診療報酬上の入院料の設定について、どう考えるか」について委員の意見を求めた。また、各病棟の患者像に合致しない患者に対する評価や、特に医療の必要度の低い長期入院者への評価を論点に挙げた。
診療側の委員からは、入院料の底上げを求める意見が相次いだが、支払い側委員からは一律の引き上げには懸念を示す意見も多く、入院基本料等加算やDPCなども含めた議論を求める意見が出た。
厚労省は来週に予定される中医協・基本問題小委にも、診療報酬改定結果検証部会などでの入院患者の病態像や看護職員の夜勤72時間制限などに関する資料を提示して、再び議論を求める方針だ。(11/11MEDIFAXより)