急性期に重点配分、10年度改定を答申/中医協  PDF

急性期に重点配分、10年度改定を答申/中医協

 中医協(会長=遠藤久夫・学習院大教授)は2月12日、2010年度診療報酬改定を長妻昭厚生労働相に答申した。遠藤会長から答申書を受け取った足立信也厚労政務官は「(本体部分に充てられた)5700億円は、相当な効果が期待できる」と強調。長妻厚労相も会場を訪れ「いろいろな思いの中で出来上がった答申だと思う。その思いを受けて、答申の理念を実現できるよう取り組んでいきたい」と述べた。

 10年度改定で、医科部分のプラス財源は大半を急性期に重点配分し、難易度の高い手術料を大幅に引き上げたほか、救急・周産期の充実評価、一般病棟入院基本料の早期加算引き上げや、7対1・10対1病棟の「急性期看護補助体制加算」の新設などに充てた。一方、一般病棟15対1入院基本料などは引き下げた。

 外来で最大の焦点となった再診料の病診格差を69点で統一し、再診料に加算する「地域医療貢献加算」(3点)と「明細書発行体制等加算」(1点)を創設。外来管理加算(52点)は引き下げず、「5分ルール」を撤廃して患者要請に基づく継続処方の場合は算定できないことにする。地域貢献加算と明細書加算の創設に必要な財源は約150億円とみられ、初診療に加算していた「電子化加算」(3点)の廃止に伴う財源(約50億円)などを充てる。

●「相当な効果期待できる」足立政務官

 足立政務官は、10年度改定に向けた中医協の議論について、現場医師らの意見聴取を実施したことや、委員が自ら持ち寄った資料に基づいた議論を展開したことを評価。さらに、「厚労省、政務三役、内閣による方針決定も大きかった。まずどこに手をつけなければならないか、それにどれだけの財源が必要か、それ以外の部分についても最低限の手当てをしていくことを議論した」と述べた。明細書無料発行の原則化についても触れ「今の状況を打開するためには、情報共有が欠かせない。ある意味、効率化も果たせると思う」と評価した。

●「残された課題、速やかに着手」遠藤会長

 遠藤会長は、長時間にわたる議論を踏まえ「これまでにない議論をしてきた。今後は少し楽になるが、残された課題に速やかに着手することになる」と強調した。

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