必要財源は介護報酬0.6%/地域区分見直し  PDF

必要財源は介護報酬0.6%/地域区分見直し

 厚生労働省は10月7日の社会保障審議会・介護給付費分科会に、次期介護報酬改定で「地域区分」を現行の5区分から7区分へ見直す際、地域区分ごとの上乗せに必要な財源は介護報酬0.6%分に相当するとの試算結果を提示した。

 財政中立の考え方で試算したため、介護報酬が全体として0.6%引き下がり、上乗せ割合のない地域区分「その他」ではそのまま0.6%のマイナスになるが、実際には処遇改善交付金分を介護報酬内に組み込むのかどうかや、年末までの予算折衝で改定率が何%になるかによって影響の度合いは変化する。

●1単位10円の単価「手を入れるべきでない」
 地域区分の見直しに必要な介護報酬0.6%分の財源について、委員からは「1単位10円の単価を9.94円にして捻出するようなことはすべきではない」とする意見が相次ぎ、大勢を占めた。介護報酬0.6%分に相当する財源が必要との試算は介護報酬全体への影響を示した参考値であり、次期介護報酬改定に伴う全体の調整の中で見直しを行うため、大きな問題は起こらないとの意見もあった。

 池田省三委員(地域ケア政策ネットワーク研究主幹)は厚労省に対し、処遇改善交付金を介護報酬内に組み込むことの是非も含め、次期改定に関する今後の調整全体で賄うとの趣旨でよいかと確認。老健局の宇都宮啓老人保健課長は「そういうことはあり得ると思う」と述べた。

 大森彌分科会長は「『その他』=10円は基本的に変えないで、全体の動きがあればそれも踏まえる方向性はある」と述べ、「介護報酬0.6%分」の試算はあくまで参考値の提示であるとした。

●経過措置設け、追加の検討も
 厚労省は10月7日の会合に、地域区分の見直しに伴う経過措置として、2区分以上変動する市町村は2012−14年度の3年間は1区分の移動に抑えることを提案した。委員から特に異論はなかったが、経過措置3年以降の措置はどうするのかとの意見や、区分だけでなく上乗せ割合についても何らかの措置が必要との意見が上がった。厚労省は今回の提案はあくまで最終形に向けた現段階の経過措置であるとして、3年後さらに経過措置を設けるかどうかなどについては今後の検討課題とした。(10/11MEDIFAXより)

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