復興の施設整備、補助金の対象拡大を/四病協と全老健が要望
四病院団体協議会と全国老人保健施設協会は6月27日、東日本大震災で被災した医療施設などの復旧に関する施設整備の補助金の対象範囲の拡大と、設立主体による国庫補助率の格差是正などを求める要望書を厚生労働省の阿曽沼慎司事務次官に提出した。四病協と全老健は、阿曽沼事務次官に被災地の窮状を説明するとともに、第2次補正予算での対応を求めた。
5月2日に成立した2011年度第1次補正予算では、被災した医療施設などの災害復旧に係る補助金の交付対象が公的医療機関や救急指定病院などの一部の医療機関だけとなっていたことから、全ての医療施設を対象とするよう見直しを求めている。
医療施設・社会福祉施設などの災害復旧に係る補助金の国庫補助率については、第1次補正予算で医療施設は公的医療機関が「2分の1」から「3分の2」に引き上げられただけだった。社会福祉施設では、介護老人保健施設などの国庫補助率が「3分の1」から「2分の1」に、グループホーム・ケアホーム、障害者支援施設は「2分の1」から「3分の2」に引き上げられた。四病協は、設立主体によって災害復旧にかかる費用に格差があるとは考えられ
ないとして「国庫補助率は一律に3分の2に引き上げるべきだ」としている。大震災による敷地内の地盤沈下による被害や、土地の整備に関する費用についても補助の対象にするよう求めている。
医療機関・社会福祉施設の二重債務問題については、福祉医療機構などを活用した支援策(旧債務の据え置き期間・償還期間の延長、利子補給など)を講じるよう要望したほか、国庫補助の協議に関する事務の効率化、迅速な支給も求めた。
●窓口負担免除の対象拡大も要望
四病協は、福島県病院協会からの要望を受け、医療保険の窓口での被災者の一部負担免除に関する要望書も阿曽沼事務次官に併せて提出した。
今回の大震災による医療保険の窓口での一部負担の免除については、5月18日付事務連絡でのQ&Aや6月14日付の事務連絡による特例措置で具体的な内容が明示されている。しかし、対象者が原発事故の被災者については、避難指示、計画的避難区域、
緊急時避難準備区域に住民票のある住民に限定されている。福島県病協は、住民票がなく原発事故によって避難を余儀なくされた入院患者や、原発事故で事業を休業、または大幅な縮小を余儀なくされた事業所の従業員が対象から欠落していると問題視していた。
四病協は、一部負担の免除対象者に「実生活の住所地の該当者および勤務する事業所が避難指示、計画的避難区域、緊急時避難準備区域にあり、事業を休業・縮小を余儀なくされた従業員」を含めるよう要望。一部負担金等の免除の手続きの簡素化についても、併せて求めている。(6/28MEDIFAXより)