後発薬に変更不可が4割/処方せん、日本調剤薬局

後発薬に変更不可が4割/処方せん、日本調剤薬局

 調剤薬局チェーン大手の日本調剤の薬局に提出された処方せんの4割に、特許の切れた先発医薬品より安い後発医薬品への変更を不可とする医師の署名があることが7月24日、同社の調べで分かった。

 後発薬を使用するにはこれまで医師が「変更可」と署名することが必要だったが、国は後発薬の使用を促すため、4月に処方せんの様式を変更。「変更不可」と署名された場合以外は変更が可能となった。日本調剤は全国薬局で扱う処方せん枚数の2%弱のシェアだが、他の薬局でも同様の傾向があれば国はあらためて対策を迫られそうだ。

 後発薬への「変更不可」を医師が署名した場合でも処方せんに理由の記載欄はない。日本調剤の全国の薬局に出された処方せんのうち不可の署名は4月が39%、5月が40%、6月が42%と増加した。

 6月分で見ると、公立病院や赤十字病院など公的な計15病院は不可が90%を超えた。このうち6病院は不可が99%。これとは別に85%超を不可とした大学付属病院も4病院あった。

 ある市立病院院長は「後発薬は副作用の心配があり信用できない。患者の了解を得て不可にした」と話した。

 一方で後発薬を希望する患者は増加。処方せんで変更不可の署名がなく変更可とされた患者のうち、日本調剤で後発薬を選んだのは4月が43%だったのに対し、6月は50%に達した。ただ、変更不可が増えているため、全薬剤に占める後発薬の割合は20%台にとどまった。【共同】(7/28MEDIFAXより)

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