後発品進まない場合の薬価下げで3案/厚労省論点案
厚生労働省は7月15日の中医協・薬価専門部会に、日本製薬団体連合会の薬価制度改革案について論点案を提示した。薬価維持特例を導入し、数量ベースで30%以上を目指している後発医薬品使用促進が計画通り進まなかった場合の既収載品の薬価引き下げについて、「後発品のある先発医薬品のすべてを一定率で引き下げる」など3つの案を盛り込んでいる。
薬価維持特例の必要性については、診療側委員から疑問が出ていることなどを踏まえ、「製薬企業の経営状況や新薬の研究開発・供給状況を勘案した上での検討が必要」と明記した。
未承認薬などの開発促進については、製薬業界が進捗状況を中医協に報告する方針としているとした上で、国が要請した品目の開発・上市を適切に進めていない企業に対しては、薬価維持特例の適用の際、「厳しい対応を考えざるを得ない」とした。逆に、ドラッグ・ラグが起きないよう適切なタイミングで開発・上市している場合などは「特段の評価を検討する」との方針を示した。
厚労省の磯部総一郎薬剤管理官は終了後の会見で「厳しい対応」について「適用対象品目があっても適用しないことなどが考えられる」と説明。「特段の評価」については「特例の対象品目を緩めることや、後発品使用が計画通り進まない場合の既収載品の薬価引き下げを薬価維持特例の一定率引き下げで対応することになった場合に、その率を緩和することなどが考えられる」と述べた。
論点案はまた、特許切れ後の後発品の薬価算定・改定方法にも触れ▽先発品薬価から「薬価改定猶予分」(特例維持分)を引いた上で0.7掛け算定し、その直後の改定で市場実勢価による改定を行う▽先発品薬価の0.7掛けで算定し、直後の改定で、薬価改定猶予分の率に後発品の市場実勢価による引き下げ分を加えて引き下げる─の2案を示した。
さらに、後発品使用が計画通り進まなかった場合の既収載品の薬価引き下げについては▽後発品のある先発品のすべてを一定率引き下げる▽後発品のある先発品と、後発品のすべてを一定率引き下げる▽薬価維持特例の対象となる先発品について、薬価維持水準から一定率引き下げ?の3案を示した。(7/17MEDIFAXより)