後期高齢者診療料「安すぎる」/厚労省の検討会で指摘
厚生労働省の「高齢者医療制度に関する検討会」は1月19日、高齢者に対する医療サービスなどに関する議論に入った。委員からは、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)開始に伴って創設された「後期高齢者診療料」(600点)について「ほかの診療報酬と比較して安すぎる」との指摘があった。
川渕孝一委員(東京医科歯科大大学院教授)は「後期高齢者診療料」について、老人診療報酬で算定されていた「寝たきり老人在宅総合診療料」などと比較して「あまりにも安い」と指摘。算定状況などについて検証するよう求めた。これに対し、保険局医療課の佐藤敏信課長は、中医協・診療報酬改定結果検証部会のテーマに入っていることを説明し、「年度内にはアンケートの結果がまとめられると思う」と説明。具体的な算定状況については、社会医療診療行為別調査の結果を待つ必要があるとした。
このほか、世代間負担の公平性についても議題に上がった。1人当たり老人医療費が老人以外と比べ情約4.7倍高いとする厚労省の試算について、川渕委勢員は「DPCデータを見ると、疾患によっては老人ト以外の方が医療費が高い場合もある」と信憑性を疑ピ問視した。権丈善一委員(慶応大教授)は「急性期ッ医療などを充実させて若い人の医療費を増やせば、ク老人と老人以外の差は縮小する」と持論を展開した。ス健保連などが求めている前期高齢者財政調整への公費投入については、財政影響の検証が必要とする意見も出た。塩川正十郎座長(元衆院議員)は与党の高齢者医療制度に関するプロジェクトチームが春をめどに見直しの方向性を決めるのを見据え、この検討会でも次回以降、総括的な議論に入る意向を示した。(1/21MEDIFAXより)